切迫早産と診断されるカギになるのが、子宮頸管の長さです。
子宮頸管長が短いと、早産の確率がぐんと高くなってしまうので、妊娠中期以降の妊婦検診で、子宮頸管長を定期的に測ることが重要です。
今回はそんな子宮頸管長の平均値について調査!
切迫早産の診断基準や、子宮頸管長が縮んだ場合の対処法もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
子宮頸管とは―
子宮頸管とは、子宮の下側にある筒状の部分のことです。
上の図で見ると、赤ちゃんがいる側の入り口(内子宮口)と、膣側の出口(外子宮口)の間ですね。
子宮頸管は通常ぴったりと閉じているはずなんですが、妊娠後期や切迫早産になると、少しずつ開いていってしまうんです。
ぴたっと閉じられている長さを子宮頸管長と呼び、これが短くなればなるほど、早産のリスクは高くなります。
子宮頸管の役割
・細菌の侵入を防ぐ
・精子の通り道
そもそも子宮頸管は、予定日が近くなるまではぴたっと閉じているもの。
それは赤ちゃんが生産期前に外に出てしまわないようにするためです。
また、外から細菌が入ってこないようにするという感染予防の役割もあります。
さらに子宮頸管は、排卵時には精子を迎え入れる状態に、それ以外の時は精子が侵入しづらい状態に保つという機能も持っています。
子宮頸管長はお産が近づくにつれて縮むもの
子宮頸管は出産が近づくにつれて柔らかくなり、そこに大きくなった赤ちゃんの重さが加わることで、少しずつ短く縮んでいきます。
そして、「いよいよお産を迎える!」という時には、ぴたっと閉じていた部分が開いてしまうので、子宮頸管長はほぼなくなってしまうんです。
子宮頸管の長さの目安・平均値
ここからは、子宮頸管の長さについて見ていきましょう。
今回、子宮頸管長の平均を調べるにあたって、ムーニーとスマホアプリ【ninaru(ニナル)】に掲載されているコラムを引用させていただきます。
1.ムーニーの見解|妊娠中の子宮頸管長の目安・平均
ママの体型や子宮の大きさなど個人差はありますが、一般的な子宮頸管の長さは35~40mm。しかし、さまざまな理由で子宮頸管が短い、あるいは、子宮頸管がほとんどない場合もあります。
とあります。
続いては、妊婦さんへの情報配信アプリ【ninaru】の見解もチェックしておきましょう。
2.ninaruの見解|妊娠中の子宮頸管長の目安・平均
頚管長の平均
妊娠週数 子宮頚管の長さ 妊娠30週未満 35〜40mm 妊娠32〜40週 25〜32mm
とあります。
ninaruは、妊娠30週未満と、32週以降でデータが分かれていますが、35mm~40mmというのはムーニーの見解と同じですね。
ちなみに妊娠32週以降も、子宮頸管長25mmが早産リスクをはかる上での1つの目安になっているようです。
子宮頸管の短縮と切迫早産
妊娠初期の妊婦検診は経腟エコー、そして妊娠12週頃からはお腹の外から赤ちゃんをチェックする超音波検査になります。
そして妊娠8ヶ月頃になると、早産リスクを調べるため、またまた経腟エコーを行います。
妊娠5ヶ月前後に、早産リスクをみるために行うことも多いです。
経腟エコーを行う時期は産院によって違いますが、お腹の張りが気になる時は遠慮なく頼むべきです!
子宮頸管長は経腟エコーでしか測れないので、「気付いた時には切迫早産の症状がかなり進行していた…」ということにもなりかねません。
気付いた時には
ともかも、里帰り先の産院で初めて妊婦検診を受けた日に、切迫早産を指摘されてそのまま入院になりました。
子宮頸管長はまさかの1.6cm…。
それまで通っていた産院では、妊娠5ヶ月以降で一度しか経腟エコーがなかったので、きっとじわりじわりと縮んでいたんだと思います。
ともかが切迫早産で入院になった経緯については、こちらの記事にまとめていますのでよかったらご覧ください。
https://irohairoiro.com/nyuinnohi-1/
https://irohairoiro.com/nyuinnohi-2/
子宮頸管長が縮むと早産のリスクが上がる
子宮頸管長が短くなればなるほど、早産の確率は高くなります。
早産外来で有名な国立成育医療研究センターのHPでは、以下の説明がされています。
子宮頸管長が短いと早産のリスクが高いことが知られています。(中略)
妊娠24週での子宮頸管長の平均は約35mmですが、25mm未満の場合、早産となるリスクは短縮のない人に比べると約6倍、13mm以下では約14倍といわれています。
引用元:早産外来
子宮頸管長13mm以下:早産リスクは約14倍
そして結果的に妊娠36週4日目に出産。
赤ちゃんには健康上の問題は見られなかったものの、医学的には早産での出産ということになりました。
子宮頸管が短い!3つの対処法
最後に、子宮頸管長が短い場合の対処法について説明します。
ちなみにこの対処法を実践したからといって、子宮頸管長自体が伸びるというわけではないそうです。
あくまでも、「1日でも長く妊娠を継続させる」という目的のもと、治療が行われます。
対処法1.安静に過ごす
切迫早産と診断された方はほぼ、安静の指示が出されます。
自宅安静か管理入院かは、切迫早産の進行具合によって変わりますが、ともかの産院では「子宮頸管長25mm未満は入院」という方針でした。
また、産院や医師によっても変わるそうです。
ともかの場合:管理入院
基本的にはベッドで寝たきりでした。
お風呂は週に2回入れましたが、お風呂の中でもイスに座ったまま身体を洗っていました。
食べ終わった食器を返すのもNG。看護師さんが全てやってくれます。
検診の時も車椅子を使って移動していたので、立って歩くのはお手洗いと洗面の時だけでした。
対処法2.張りどめ(子宮収縮抑制薬)を使う
切迫早産の進行具合によって、張りどめ(子宮収縮抑制薬)を使用することがあります。
張りどめには、内服と点滴があって、内服にはリトドリンを、点滴にはリトドリンかマグセントのどちらかを使います。
ともかの場合:点滴投与
ともかは、リトドリンの点滴投与を行っていました。
まずは10ml/1時間からはじまり、そこからじわじわ上がっていき、出産直前には20ml/1時間まで増えました。
点滴の何が辛いって、針は痛いし、腕は自由に動かせないし、寝返りも打ちづらいし、おまけに点滴漏れが痛い…。
ともかの点滴量と子宮頸管長の長さの推移については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、よかったらご覧ください。
https://irohairoiro.com/tenteki/
対処法3.頸管縫縮術(シロッカー法・マクドナルド法)
そしてもう1つの対処法として効果的なのが、頸管縫縮術。
>子宮頸管を直接糸で縛って、赤ちゃんが降りてこれないようにする手術です。
そして、赤ちゃんが産まれても問題ないと判断できる妊娠37週頃に、糸を外します。
頸管縫縮術には、シロッカー法とマクドナルド法という2つの術式があり、早産予防にかなり効果的。
ともかの場合:2人目以降の計画
ともかは今回が初めての出産だったので、手術は行いませんでした。
ただ、子宮頸管無力症の可能性があるので、「2人目を望むなら手術という選択肢もあります」と担当医から説明されました。
次の出産を考えるのなら、手術も前向きに検討しないといけないかなと思います。
子宮頸管の長さの平均と短縮時の対処法|まとめ
ということで今回は、子宮頸管の長さの平均や、子宮頸管が縮んた時の対処法についてまとめました。
早産のサインとして最も現れやすいのが、子宮頸管の長さです。
子宮頸管長が短くなればなるほど、早産の確率は高くなってしまうので、少しでも早く気付くことが大切!
お腹の痛みや張りに気付いた時は、妊婦検診を待たず早めに受診してくださいね。
ともかの子育て日記では、切迫早産に関する情報や、入院中の出来事について発信しています。
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