「1人目で切迫早産になった人は、2人目3人目も切迫早産になりやすい」と言われています。
切迫早産になりやすい人とはどんな人なのでしょうか。
「元々の体質?生活習慣?ストレス?」よく見られる特徴についてまとめてました。

切迫早産とはこんな状態
「切迫」とは、間近に迫る、差し迫るという意味。
つまり切迫早産とは、早産が差し迫っている・早産になりかけている状態のことを言います。
「生産期(妊娠37週0日から41週6日)を目指して、できるだけ長く赤ちゃんを母体で育てよう」
というのが切迫早産の治療の基本です。

早産児・未熟児として産まれた赤ちゃん
妊娠37週未満で産まれた赤ちゃんは、早産児になります。
さらに、生まれた時の体重(出生体重)によって、低出生体重児・極低出生体重児・超低出生体重児などと言われます。
ちょっと前までは、未熟児という言葉も使われていましたが、最近ではこのように体重によって分類されるようになりました。
妊娠22週未満なら切迫流産
ちなみに妊娠22週未満で赤ちゃんが産まれそうになったり、お腹の中で危険な状態にある時は、切迫早産ではなく切迫流産といいます。
今の医療では、早産で産まれた赤ちゃんの命を助けられるかどうかのギリギリの週数が22週なので、22週の壁とも表現されています。
切迫流産には、稽留流産(けいりゅうりゅうざん)・進行性流産・感染流産などがあり、妊娠5週~9週にかけて起こることが多いです。

浅い週数での流産は母体が原因ではなく、赤ちゃんの染色体異常が原因であることがほとんどです。
早産の問題点・リスク
早産と一口で言っても、妊娠週数によってリスクの大きさは変わります。
週数が浅ければ浅いほど、赤ちゃんにもお母さんにも負担は大きくなり、予定日に近づくほどリスクは小さくなります。
発達への影響
早産で産まれた赤ちゃんでも、身体機能に問題がない場合もあります。
その目安としてよく言われているのが、【妊娠35週】です。

35週を超えると、赤ちゃんが自分の力で呼吸できるようになっているので、人工呼吸器を付ける必要がありません。
また「標準出生体重が2,500g~4,000gなので、できれば体重2,500g以上あるのが望ましい」と言われています。
赤ちゃんの在胎週数や体重が少ない場合は、NICU(新生児集中治療室)に入院する場合もあります。
早産になる妊婦さんの割合
一般的に、早産で出産する日本人の割合は、全妊婦さんの5~6%と言われています。

ただ、これは実際に早産になった妊婦さんの割合なので、切迫早産と診断される人の割合はもっと高くなります。
切迫早産と診断されたら
「切迫早産と診断されたけど、無事に生産期を迎えられた」という妊婦さんはたくさんいます。

すると私より長く入院していた妊婦さんで、「結局予定日を過ぎての出産になった!」という方も結構いらっしゃいました。
切迫早産はあくまで、早産になりかけている状態であって、必ず早産になってしまうわけではありません。
先のことを考え過ぎて不安になったり余計なストレスを感じるよりは、身も心もゆっくり休めて、とにかく安静に過ごすことに専念するのが理想かななんて思います。

↓コロナ禍での入院生活について書いています。
https://irohairoiro.com/corona/
切迫早産になりやすい人はどんな人?特徴・原因とは
では、どんな人は切迫早産になりやすいのでしょうか?
切迫早産の原因やなりやすい人の特徴について見ていきましょう。
1.子宮内感染
子宮内感染は、子宮の収縮やお腹の張りを引き起こします。
とくに、卵膜に炎症が起こる絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)は、早産の最大リスクです。
また性感染症の一種であるクラミジア感染症が、切迫早産や前期破水の原因になることも。
おりものが増えたり、生理痛のような痛みを感じたりすることもありますが、無自覚症状の場合も多いやっかいな病気です。
2.ストレス
ストレスを感じやすい人も要注意です。
妊娠中のストレスというのは、多かれ少なかれどんな妊婦さんにもあるかと思いますが、あなどってはいけません。
ストレスには血管を収縮させる作用があるので、ストレスが長く続くと血管が収縮してお腹の赤ちゃんに栄養が届きづらくなります。
また自律神経やホルモンバランスが乱れたりといった悪影響も…。
その結果、流産や早産のリスクが高まります。
3.子宮頸管無力症
子宮頸管無力症も、切迫早産のよくある原因の1つです。
本来ぴたっとくっついているはずの子宮の出口部分が徐々に開いていく病気で、自覚症状もないというやっかいな病気です。
短くなった子宮頸管長はなかなか元に戻らないので、これ以上子宮頸管長が縮まないようにひたすら安静にするしかありません。
4.立ち仕事・動きすぎ・働きすぎ
立ち仕事の多い方や、家事や育児でつい動きすぎてしまう方も要注意です!
お腹が大きくなってくる妊娠中期~後期は、普通にしていても下腹部に負担がかかってしまいがち。
立って歩くとさらに重力がかかるので、知らず知らずの内に子宮頸管長を縮めてしまっている恐れがあります。
5.便秘
便秘体質の人も、切迫早産になりやすいと言われています。
というのも、排便時のいきみによって下腹部に強い力が加わって、子宮頸管長が縮む可能性があるからです。
妊娠中はただでさえホルモンバランスが乱れ、大腸の動きが悪くなってしまいがちなので、気になる方は検診時に相談してみましょう。
お腹の赤ちゃんに影響のないお薬を処方してもらえます。
他にも、子宮筋腫や妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、胎児機能不全など、切迫早産の原因は様々。
また、双子・三つ子など多胎妊娠の妊婦さんも切迫早産になりやすいので注意が必要です。
↓切迫早産の原因について詳しくまとめていますので、コチラもぜひご覧ください↓
https://irohairoiro.com/genin/
早産の兆候とその予防方法について
さてここからは、早産の兆候とその予防方法・対処法について見ていきましょう。
といっても、切迫早産の症状は自覚できないケースも多いです。

自覚しやすい症状|切迫早産
自覚しやすい症状として、以下のような兆候があります。
「今日はお腹が張るな。」「ちょっと痛みを感じるな。」
そんな時は、横になって安静に過ごすのが一番です。
安静にしていても治まらない場合や張る頻度が増えた場合、破水のような兆候が現れた場合は、すぐに受診しましょう。
自覚できない症状
以下の症状は自覚が難しいですが、妊婦検診を定期的に受けることで早期発見につながります。
外に現れない症状は、いくら気を付けていても自覚するのは難しいです。
子宮頸管長や子宮口は内診でしかわからないので、スケジュール通り妊婦検診を受けるようにしましょう。
また、妊娠中期~後期の妊婦検診では、エコー検査だけやって、内診は毎回やらないという病院もあるので、気になる方は積極的に内診してもらうのがいいですね。
生活習慣による早産への影響
生活習慣の乱れが早産や流産のリスクを高めてしまう恐れもあります。
痩せすぎや太りすぎ、睡眠不足は要注意!
栄養バランスの良い食事と良質な睡眠を心がけることが大切です。
また喫煙や飲酒は、胎盤の血管を通じて赤ちゃんに害が及びます。

切迫早産のリスクとなりやすい人の特徴|まとめ
今回は、切迫早産になりやすい人の特徴についてお話しました。
切迫流産や切迫早産は、自覚症状がないことが多いので、早く異変に気付きづらい病気です。
お母さんの生まれ持った体質や、ストレス、便秘、動きすぎなど原因は様々なので、特定するのは難しいかもしれません。
妊婦検診をスケジュール通り受けて、流産や早産の危険性をできるだけ早く発見することが重要です。
また、お腹の痛みや張りが少しでも気になった時は、妊婦検診がなくてもすぐに病院を受診してくださいね。

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