授乳中にコロナワクチンを接種していいのか、それとも打たない方がいいのか。
打つとしたらファイザーがいいのかモデルナがいいのか、それとも新しく承認されたアストラゼネカがいいのか―。
色々とお悩みの方は多いかと思います。
今回はそんな方に向けて、【授乳中のコロナワクチン接種と赤ちゃんへの影響】についてわかりやすく説明します。
授乳中にコロナワクチンを打たない方がいいって本当?
2021年2月からはじまった、国内のコロナワクチン接種。
まずは医療従事者を対象に先行接種が始まりましたが、今年4月12日からは65歳以上の高齢者の接種もスタート。
そして、今では12歳以上も含め、全国各地でワクチン接種が進んでいます。
そこで気になるのが、妊婦さんや授乳婦さんのワクチン接種です。
お腹の赤ちゃんや母乳を飲んでいる赤ちゃんに、ワクチンの影響がないか心配ですよね?
授乳中のコロナワクチン接種の影響
では、母親がコロナワクチンを接種した場合、赤ちゃんにどんな影響があるのか見ていきましょう。
ちなみに今回のまとめは、政府や日本産科婦人科学会の公式見解等がソースになっています。
1.政府の見解|授乳中のワクチン接種について
妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンを接種できます。日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません。予防接種法に基づいて、接種をお勧めしています。
厚労省の公式見解によると、日本で接種できるワクチンは母乳に影響はないとして、授乳婦さんにも接種をおすすめしています。
またその根拠として、日本よりもワクチン接種が進むアメリカ疾病対策センター(CDC)の見解も載せています。
その部分を一部抜粋します。
米国CDCは、授乳中の方にも、新型コロナワクチンの接種を推奨しています。mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。
授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されています。こうした抗体が、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています。
つまりわかりやすくまとめると―。
・ワクチン接種した人の母乳に抗体が確認された
・その母乳を飲んだ赤ちゃんのコロナ感染予防が期待できる
ということを言っています。
ただ、そもそも国はワクチン接種を勧めたい立場ですよね。
「そのまま信じ込んじゃっていいのかな…?」という気持ちもちょっとあったり。
2.山中伸弥教授の見解|授乳中のワクチン接種について
iPS細胞の研究・開発でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、公式サイト【山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信】でコロナワクチンに関する情報を発信しています。
そしてそのサイト内で、【授乳とワクチン接種】に関するイスラエルの論文を紹介。
論文では、ファイザー社のコロナワクチンを接種した方の母乳に、抗体成分が含まれていることがあるという研究結果が明らかにされました。
そして、最後は山中教授の一文でこのように締めくくられています。
今回の論文では、母乳中の抗体の中和活性(感染を防ぐ力)は調べられていませんが、母親のワクチン接種により形成される抗体が、母乳を介して子供にも移行する可能性が示唆されました。
・抗体のある母乳を飲む=コロナウイルスに感染しづらくなるという確証はない
簡単にまとめると上記の内容になっています。
妊娠中は打たない方がいい?日本産科婦人科学会の見解
続いては、妊娠中の方のコロナワクチン接種による影響について見ていきましょう。
妊娠・出産のプロフェッショナルである、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会の見解を紹介します。
こちらは、8月14日に発表した【妊産婦のみなさまへ】というメッセージです。
妊娠中、特に妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると、重症化しやすいとされています。
全国的に感染地域が拡大し、感染の多い地域では感染拡大が過去にない拡大となっています。そのよう
な地域にお住まいの方や、糖尿病、高血圧、気管支喘息などの基礎疾患を合併している方は、ぜひ接種
をご検討ください。
妊娠中やこれから妊娠を望まれている方も、ワクチン接種して問題ないと述べられています。
ただし注意書きとして、
・接種希望の方は事前にかかりつけの産科医に相談しておくこと
とありました。
【ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ】どれを接種すべき?
このように、政府や専門家は「授乳中や妊娠中にコロナワクチンを接種しても悪い影響はない」と述べています。
とくに、妊娠後期にコロナウイルスに感染すると重症化しやすいそうなので、できるだけ早く打っておきたいという方も多いかと思います。
ちなみに、日本で今承認されているコロナワクチンは、ファイザー社・モデルナ社・アストラゼネカ社の3種類です。
ただ、アストラゼネカ社のワクチンには、日本で承認されて間もないということと、原則40歳以上という条件があります。
そのためファイザーとモデルナの二択で迷う方が多いのではないでしょうか。
ファイザーとモデルナ、どっちがいいの?
ファイザーとモデルナはどちらもmRNAワクチンという種類のワクチンで、厚生労働省によると「授乳中や妊娠中の方も、接種して問題ない」と言われています。
ただ臨床実験によると、モデルナ社のワクチンの方が副作用・副反応の発生頻度が高いと報告されています。
また一方で、変異種のデルタ株にはモデルナの方が有効というデータもあります。
授乳中でも飲める!ワクチンの副作用に効果的な解熱鎮痛剤
最後に、コロナワクチンの副作用に効果的な市販の解熱鎮痛剤について簡単に説明します。
イブプロフェン系:ブルフェン・ユニプロンなど
この2種類は母乳に成分がほとんど出ない薬なので、授乳中の方でも安心して飲むことができます。
どうしても薬の影響が気になる方は、授乳時間から逆算して飲むのがおすすめ。
ただし妊娠中の方は、イブプロフェン系、ロキソプロフェン系は避けた方が無難です。
お腹の赤ちゃんに影響が少ない、アセトアミノフェン系が推奨されています。
コロナワクチンの副反応は無理して我慢しなくてOK
コロナワクチンの副反応として、発熱や頭痛、腕の腫れ・痛み、めまい、倦怠感などが報告されています。
副反応が起こる期間は人によってバラバラですが、1~3日間くらい出るケースが多いそうです。
とくに2回目の接種後は副反応が強く出やすくなります。
授乳中のコロナワクチン接種の影響|まとめ
今回は、「授乳中にコロナワクチンは接種すべきか、打たない方がよいのか―」というテーマでお届けしました。
関東は自宅療養の患者さんが急増していることもあって、「できるだけ早くワクチン接種したい」という方も増えてきているかと思います。
また、感染予防だけなく重症化しづらくなるというメリットも!
厚生労働省は、「ワクチンを接種しても赤ちゃんへ悪影響を及ぼすことはない」という見解を示していますが、少しでも不安がある方はかかりつけ医に相談してみるのがいいかもしれませんね。
また、副作用・副反応には解熱鎮痛剤が効果的。
授乳中や妊娠中の方でも飲めるアセトアミノフェン系がおすすめです。
なお、今回のまとめは政府や日本産科婦人科学会の公式見解などをソースにしました。
該当箇所に引用元へのリンクを貼っていますので、詳細はそちらをご確認ください。
また、ともか自身は医療従事者ではないので、ご了承のほどお願いします。
ともかの子育て日記では、これからもコロナ禍での育児に関する情報を発信していきます。
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